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2011年03月06日


なんか、こないだ投稿した変な話が、意外にヒットして浮かれましたb


んで、ふと思いついたときに適当な話を書いてみることにしました。


もちろん趣味で、ですがね(苦笑





というわけで今回もそれです






いつからだろう。

僕の足元に、1匹の猫がいる。

僕をじっと見つめ続けている猫。

野良猫だろうか? お世辞にも綺麗な毛並みとはいえない猫。


どこまでも続いていきそうな黄色。

猫の瞳はそんな不思議な、異様な色をしていた。

何か、恐怖に似た感情を覚えた僕は、足早にそこを去った。


しかし何故だろう?

その猫は、僕の後ろをピッタリとくっ付いてついて来る。

まるで尾行しているようにひっそりと、まるで僕の従僕であるかのように淡々と、僕についてくる。

それは実に奇妙な光景だっただろう。

僕とすれ違う人々は、それこそ僕が猫の主人なのだと思った…いや、勘違いしただろう。


しばらく歩いた。

後ろの猫も、足を止めることはなさそうだ。

耐え切れなくなった僕は仕方なく、後ろを振り向き、猫を見下ろした。

するとまたその猫は、僕をその異様な目を僕にジッと向けてくる。


これは困った。

どうしようもなく途方に暮れてしまった。

僕は、ただその猫を見ていることしかできなかった。

これは本当に猫なのだろうか?

いや、僕が猫なのか?

僕は猫で、猫は僕か?

僕は僕であると願った。しかし猫は僕であると願っている。…そんな風に見えるという表現が好ましいのだろうか。

僕は僕と望み、猫は僕と望み、僕は猫になり、猫は僕になり、それでも僕は僕を望み続け、しかし猫も僕を望み、僕は猫に、その猫の瞳に侵食されて。


…ふと、目を右にやった。

特に意図はない。ほんの気まぐれだ。


!?

僕は思わず声にならない声を揚げる。

僕のすぐ右には、全速力で走りこちらに向かってくる小型のトラックがあった。

死を感じる暇も無かった。

寧ろ僕は、何も感じなかった。

そのトラックは僕には当たらず、目の前の猫に思い切りぶつかったのだ。

そしてそのまま、先のブロック塀に衝突して停止した。


僕は何も言わなかった。

いや、何も言えなかったのだ。

それはいきなりの出来事に腰を抜かしているというのも当てはまるが、それよりも、目の前に居たはずの猫が存在していないということに対しての驚きで。

存在していない、というのは死亡しているというわけではない。

まるでそこには何も無かったかのように、死骸も、血痕も、毛の1本でさえ存在していないのだ。

理解できない。

混乱した状態が続く。

猫はどこに行ったのだろう?

いくら素早い猫とはいえ、あの状況で避けられるはずが無い。

有り得ない。

なぜだろう、僕は、そのトラックについては何も思わなかった。

なにも疑問に思わなかった。

自分でも理解できないが、今僕の頭を埋め尽くしているのはあの猫だ。

猫はどこにいったのだろう。

猫に会いたい。

猫猫猫

猫猫猫猫猫猫猫猫猫。


僕は走っていた。

もちろん、猫を探すためだ。

足の筋肉の躍動を感じる。

全速力で走っている。

自分の体力なんて気にもとめてないような、そんな勢い。

疲れを感じる。

痛みを感じる。

しかし何故だろう、本能が足を止めようとしない。

止めろ。

止まれ。

そんな僕の呼びかけに、僕の神経は反応しようとしない。

腕で足を殴ってみる。

変化は無かった。

ここは何処だろう?

気づけば辺りはもう薄暗い。

怖い。

今度は恐怖が僕を襲う。

そもそも、そういった係は苦手な僕である。

薄暗く、知らないところを走っている僕。

どこまでも、どこまでも

止まらない足に任せ、走り続ける。

痛い、怖い、痛い、怖い、痛い、怖い、誰か、助けて、助けて……。

猫、助けて。


目の前には、あの猫がいた。

どこまで、いつまで走っていたかはもう覚えていない。

気がつけばまた、例の目で猫が僕を見つめている。


なぜか、安心している僕。

その目がまるで、暖かな光で僕を包み込むように、その色がまるで聖なる光のように。


すると、不意に猫が後ろを向く。

それを見上げる。


僕もようやく気づいた。

猫の目に魅了されていて、まったく気づかなかった。


そこに会ったのは…大木。

まさに、大木という表現が相応しい大きな太い木だった。

そして、なによりも美しい。

僕が今まで見てきたなによりも美しかった。

その美しさを際立てているもの。

それこそこの―、


光。


まるでそこだけが朝のように、空から光が差している。

目の錯覚だろうか?

まるでおとぎ話の世界に入り込んでしまったような感覚。

その美しさに思わず見とれて、呆然と立ち尽くす僕。


…何時間たっただろうか。

ふと我に返る。

周りを見渡すと、誰もいない。

あの猫もいない。

と、急に僕の周りに影ができ、光が僕に当たらなくなった。

上を見上げる。

そこには…



僕がいた。

「やあ猫。唐突ですまないが、お前の役目は終わりだ。」


そして僕は、僕に向かって拳銃を突きつける。


「ありがとう…。 そして、さよなら。」


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